刺身の旨さは「魚が海を出た瞬間から、調理までの間に決まる」と言っても過言ではありません。毎朝、より良い状態の魚を確かな目で網元から直接仕入れるため、料理長は自ら近くの漁港に出向きます。締め方から保存に至るまで細心の注意を払い、魚種に応じて数日間熟成。鮮度を保ちながら、旨みを最大限に引き出します。
この刺身の美味しさをさらに盛り上げるのが、馨特製の刺身醤油。数種の醤油と、独自のだしをブレンドして寝かせた特別な醤油は、いつまでも味わっていたい奥深い味わいです。
和食の味の要である、だし。当店では最高の美味しさを実現するため、2番だしは使用せず、すべての料理に1番だしのみを使っております。例えば煮物には、炊くほどに旨みが増す濃厚な味のかつお節と、コクと甘みの羅臼昆布。吸物には、血合いを除いた上品なかつお節と、えぐみが少なく馨り高い利尻昆布。このように、料理や食材にふさわしいだしを選ぶことも、和食の美味しさづくりには欠かせない技のひとつです。
お米は市内の契約農家から直接仕入れ、新鮮な魚介はもちろん、山菜、野菜、果物に至るまで味の良い新鮮な「地のもの」が、四季を通して手に入ります。旬と一口には言いますが、旬には「はしり、さかり、なごり」がございます。その移り変わりまでもが感じられる繊細な味わいをお楽しみいただけるよう、その日に一番美味しいもの、ふさわしいものを厳選し、献立を組み立てております。